【不登校の専門家が提言】「不登校35万人」は「教育のアップデート」を求める叫び。学校を「唯一の正解」にしない社会へ

こんにちは。明光みらい代表の小幡和輝と申します。
僕は10年間の不登校を経験した当事者で、不登校の専門家としてこれまで数百回の講演を行い、そして1万人を超える不登校の子どもたちと関わってきました。

〜10年の不登校を経て、いま僕が伝えたいこと〜
文部科学省の調査で、不登校の小中学生が過去最多の約35万人に達しました。この数字は、今の学校システムが限界を迎えていることを示す『当事者からの叫び』です。僕は約10年間の不登校を経験しましたが、その当事者としての視点から、今の状況を読み解いてみたいと思います。
不登校35万人は問題が深刻化しているのか
不登校35万人。この数字を見て「問題が深刻化している」と嘆く声が多いですが、僕は少し違う見方をしています。これは、明治時代から続く「みんなと同じことを、同じペースで、同じ場所でやる」という教育システムが、現代の子どもたちの感性や多様性に合わなくなっているという明確なサインです。
不登校は、子どもたちの「命を守るための生存本能」であり、今のシステムに対する「NO」の意思表示であると思います。
不登校という概念を変える必要があるのではないか
不登校になってもフリースクール等の学校に変わる学びの選択肢が充実していれば、そもそも学校に行く必要はなくなります。
そもそも不登校=勉強していない、コミュニティに属していないと考えることが間違っていて、すべての子どもたちが学校に変わる形で学んでいることで実質的に不登校を0にするという考え方が必要だと思います。
1. 「原因探し」をやめ、環境をアップデートする
不登校が増えると、決まって「無気力」や「家庭環境」が原因に挙げられます。しかし、原因は子どもや家庭にあるのではなく、「学校という選択肢が一つしかないこと」にあります。
今の学校は「多機能すぎ」ではないか: 学習、集団生活、部活、給食など、すべてを一つの場所で完璧にこなすことを求めすぎです。
個別最適化の欠如: ギフテッド(特定分野に秀でた子)も、ADHD傾向がある子も、静かに学びたい子も、全員同じ教室に押し込めるのは無理があります。
2. 行政に求める具体的な対策:学校外の学びを「公認」する
不登校の課題は、各家庭だけでは限界があり、行政の政策としての実行が必ず必要です。小幡個人として自治体のアドバイザーなどもさせていただいていますが、現場のスピード感、実態はまだまだ遅れていると思います。
特に「学校に戻すこと」をゴールにしている限り、この35万人という数字は減りません。発想を逆転させ、「学校に行かなくても、学びと居場所が保障される仕組み」を早急に整えるべきです。
フリースクール等の利用料補助: 多くのフリースクールは月3〜5万円の月謝がかかり、親の経済力が子どもの居場所を左右しています。公的なバウチャー制度(教育券)を導入し、どこで学んでも公教育と同等の支援が受けられるようにすべきです。
「オンライン出席」の標準化: 自宅でICT教材を使って学んだ時間を、より柔軟に出席扱いにする運用を全国で徹底する必要があります。
3. 政策への提言:教育機会確保法の「深化」
2017年に「教育機会確保法」が施行され、学校以外の学びの重要性は認められました。しかし、現場(学校や教育委員会)への浸透はまだ不十分です。
文部科学省「COCOLOプラン」の評価と、現場の深刻なズレ:実は文部科学省が打ち出した「COCOLOプラン」では、『不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指す』「登校という結果のみを目標としない」とはっきり明記されています。
これは僕からすれば歴史的な転換です。しかし、実際の現場はどうでしょうか。
誰一人取り残さない学びの保障、不登校特例校(学びの多様化学校)の設置、オンライン学習の活用など、方向性は本当に素晴らしいと思います。
しかし、 いまだに多くの学校現場では「どうにかして学校に来させること」が正解だと信じ込まれています。自治体によって予算も意識もバラバラで、COCOLOプランが掲げる「教育支援センター(適応指導教室)」の充実も、場所によってはただの「自習室」になっているのが実態です。
「国は『休んでいい』と言っているのに、現場の先生や教育委員会は『いつ戻るの?』とプレッシャーをかける。」 この構造的な矛盾が、子どもと保護者をさらに追い詰めています。
「教育の民営化」と連携: 民間のフリースクールやオンライン学習サービスを「学校の補完」ではなく「対等な教育機関」として位置づけ、予算を配分すべきです。
保護者の皆さんへ
「不登校は不幸じゃない」。これは僕がずっと発信し続けている言葉です。 学校に行かない時期があっても、人生は詰みません。むしろ、その時間を使って自分の好きなこと(僕の場合はゲームでした。)を突き詰め、それが将来の仕事につながることだってあります。
一番怖いのは、学校に行けないことで子どもが自信を失い、自己肯定感が下がってしまうことです。 数字が増えているということは、それだけ「仲間」がいるということ。 どうか、お子さんの「学校に行かない」という決断を、一歩前進するための選択として受け止めてあげてください。
各家庭でやってほしい不登校になった後の具体的な話も最後に記載しておきます。
小幡和輝の不登校のミカタとは
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1. 「学校外の学び」を家庭の選択肢に入れる
まずは「学校か、それ以外か」という二択ではなく、「学びの場所をカスタマイズする」という考え方にシフトしてください。
【小・中学生】フリースクールの活用
フリースクールは、ただの「居場所」ではありません。今はそれぞれに強い特色があります。
居場所・遊び重視型: 対人関係に疲れた子が、安心して過ごす場所。僕自身もここで「ありのままの自分」を認められました。
オンライン型: 外に出るのがまだ怖い子向け。自宅にいながらメタバースやZoomで仲間と繋がり、デジタルの教材で学びます。
「出席扱い」の活用: COCOLOプランでも推奨されていますが、フリースクールでの活動を学校の「出席」として認めてもらうよう、保護者から学校へ提案しましょう。これにより、学校の評価にも繋がるため子どもの「サボっている」という罪悪感が軽減されます。
【高校生・進路検討中】通信制高校という「最強の選択肢」
全日制が合わなかった子にとって、通信制高校は逃げ場ではなく「自分の時間を最大化できる戦略的な場所」です。
自分に合ったペースを選べる: 年に数日の通学(スクーリング)で済むコースから、毎日通うコースまで選べます。
好きなことに没頭できる: 僕は通信制高校に通いながら、空いた時間で起業しました。ゲーム、プログラミング、創作活動。学校の授業を最小限にし、残りの時間を「自分の武器を磨く時間」に充てられます。
転校のタイミングを逃さない: 通信制は学期の途中でも転入できる学校が多いです。「今の学校が無理だ」と思ったら、年度末を待たずに見学に行ってみてください。
2. 家庭で今日から実践できる3つのステップ
環境を整える前に、まずは家庭内の「空気」を変えることが先決です。
① 「学校の話」を一度封印する
「明日は行けそう?」という問いかけは、子どもにとって刃物と同じです。一旦、学校のことは忘れていいと伝えてください。
対策: 1週間、学校に関する話題を一切出さない「学校休み期間」を作ってみてください。これだけで子どもの表情が驚くほど柔らかくなります。
② 子どもの「熱中していること」を全力で肯定する
ゲームやYouTube、SNS。大人から見れば「逃避」に見えるかもしれませんが、子どもにとってはそれが唯一の命綱です。
対策: 「ゲームばかりして」ではなく「そのゲーム、何が面白いの?」と聞いてみてください。自分の世界を肯定されることが、外の世界へ踏み出すエネルギー(自己肯定感)になります。
③ 親自身が「自分の人生」を楽しむ
親が「子どもの不登校」に100%集中してしまうと、その重圧が子どもをさらに動けなくさせます。
対策: 親御さん自身が趣味を楽しんだり、仕事に打ち込んだりする姿を見せてください。「学校に行かなくても、人生を楽しんでいる大人がいる」という事実は、子どもにとって最大の安心材料です。
最後に僕たちが運営している事業についても紹介します。僕たちのところに来てくれることはとても嬉しいですが、ここに限らず選択肢はたくさんあります。じっくり自分に合う環境を探してみてくださいね。
明光みらいは個別指導塾で有名な明光義塾と小幡が一緒に作った新しい教育のインフラを作る会社です。
オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の運営に加えて、明光義塾の教室を活用した『明光フリースクール』、高校卒業資格も含めてサポートする『明光義塾高等学院』の運営を通じて、子どもたちの学び場、居場所を全国に作っています。
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小幡和輝 プロフィール
1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNSを活用したマーケティングを専門とし、東京2020オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。
著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい正しい不登校のやり方』など計5冊

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